Japanese
English
特集 自己免疫性膵炎の最前線
IgG4関連硬化性疾患
IgG4-related sclerosing disease
神澤 輝実
1
,
宅間 健介
1
,
安食 元
1
,
江川 直人
1
,
倉田 昌直
2
,
本田 五郎
2
,
鶴田 耕二
2
Terumi KAMISAWA
1
,
Kensuke TAKUMA
1
,
Hajime ANJIKI
1
,
Naoto EGAWA
1
,
Masanao KURATA
2
,
Goro HONDA
2
,
Kouji TSURUTA
2
1がん感染症センター都立駒込病院 内科
2がん感染症センター都立駒込病院 外科
1Department of Internal Medicine,Tokyo Metropolitan Komagome Hospital,Tokyo
2Department of Surgery,Tokyo Metropolitan Komagome Hospital,Tokyo
キーワード:
IgG4関連硬化性疾患
,
自己免疫性膵炎
,
IgG4
Keyword:
IgG4関連硬化性疾患
,
自己免疫性膵炎
,
IgG4
pp.665-671
発行日 2009年11月15日
Published Date 2009/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100212
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要旨
自己免疫性膵炎は,膵腫大と膵管狭細像,血中IgG4値の上昇,高齢の男性に好発,ステロイドが奏効する,などの特徴を持つ特殊な膵炎であり,膵臓癌との鑑別が特に重要である.自己免疫性膵炎に合併する膵外病変の組織像は膵臓と同様にTリンパ球とIgG4陽性形質細胞の密な浸潤を伴う線維化であり,また,全身諸臓器にはIgG4陽性形質細胞の密な浸潤が認められることより,筆者らはIgG4関連硬化性疾患という新しい全身疾患の概念を提唱した.線維化と閉塞性静脈炎を生じる膵,胆管,胆囊,唾液腺,後腹膜などにおいて臨床徴候を呈する.自己免疫性膵炎はIgG4関連硬化性疾患の膵病変と考えられる.高率にリンパ節腫大を伴い,悪性腫瘍を疑われることが多いが,無益な外科手術を行わないためにも,本症を念頭に置くことが肝要である.
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