Japanese
English
特集 原発性硬化性胆管炎と自己免疫性膵炎の最前線
自己免疫性膵炎の肝病変―硬化性胆管炎と肝の炎症性偽腫瘍を中心に
Hepatic Lesions Associated With Autoimmune Pancreatitis With an Emphasis on Sclerosing Cholangitis and Hepatic Inflammatory Pseudotumor
全 陽
1
,
佐藤 保則
2
,
小坂 一斗
2
,
北川 諭
2
,
中沼 安二
2
Yoh ZEN
1
,
Yasunori SATO
2
,
Kazuto KOZAKA
2
,
Satoshi KITAGAWA
2
,
Yasuni NAKANUMA
2
1福井県済生会病院病理
2金沢大学大学院形態機能病理学
1Department of Pathology,Fukui Saiseikai Hospital
2Department of Human Pathology,Kanazawa University Graduate School of Medicine
キーワード:
IgG4
,
炎症性偽腫瘍
,
硬化性胆管炎
,
腫瘤形成性膵炎
,
肝内胆管癌
Keyword:
IgG4
,
炎症性偽腫瘍
,
硬化性胆管炎
,
腫瘤形成性膵炎
,
肝内胆管癌
pp.363-370
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100101
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要旨 自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis;AIP)に合併する肝病変の代表的なものとして硬化性胆管炎と肝の炎症性偽腫瘍がある.硬化性胆管炎は,主に肝内の大型胆管を障害し,その病理像はAIPに付随してみられる肝外胆管の硬化性胆管炎と同質である.硬化性胆管炎に伴って限局性に強い硬化性炎症を呈する症例は,肝内に腫瘤性病変(炎症性偽腫瘍)を形成する.本稿で肝内小型胆管にAIP関連の病変が生じたと考えられる1例を報告したが,さらなる検討が必要である.AIP関連の硬化性胆管炎,肝の炎症性偽腫瘍,小型胆管病変の病変内には多数のIgG4陽性形質細胞が認められ,AIPと類似の病態が肝内胆管およびその周囲に生じたものと考えられる.
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