特集 IBD診療のdecision making ― 専門医の選択
4.IBDの活動性モニタリング(1)便中カルプロテクチンを指標とした診療
山本 隆行
1
,
下山 貴寛
1
1四日市羽津医療センターIBDセンター
キーワード:
便中カルプロテクチン
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
内視鏡検査
,
再燃予測
Keyword:
便中カルプロテクチン
,
潰瘍性大腸炎
,
クローン病
,
内視鏡検査
,
再燃予測
pp.173-179
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001671
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カルプロテクチンは好中球から分泌される蛋白で,便中においても安定化しているため,腸管炎症のマーカーとして注目されている.便中カルプロテクチン検査は,非侵襲で簡便に行うことができ,炎症性腸疾患(IBD)において,機能性疾患との鑑別,内視鏡的炎症の補助診断,再燃予測に有用であることが明らかにされている.本検査は寛解期IBD患者のモニタリングにおいて,最も臨床的意義が高いと考えられる.測定値が上昇した際に早期に治療を強化することで,治療成績を向上しうる可能性がある.しかし,本検査にはいくつかの問題点が存在する.本稿では,便中カルプロテクチン検査の有用性や問題点を述べ,本検査法をどのように診療に取り入れるべきかを検討した.
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