特集 上部消化管腫瘍における先進的内視鏡治療の進歩
2 .注目される内視鏡治療の実際(1)食道癌に対する光線力学療法
笹部 真亜沙
1
,
南出 竜典
1
,
依田 雄介
1
,
矢野 友規
1
1国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科
キーワード:
食道癌
,
化学放射線療法
,
救済治療
,
光線力学療法
,
レザフィリン
Keyword:
食道癌
,
化学放射線療法
,
救済治療
,
光線力学療法
,
レザフィリン
pp.33-38
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001636
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食道癌に対する化学放射線療法は,高い奏効率が得られる反面,局所遺残再発率が高い.一般的に局所遺残再発に対する救済治療として行われる外科的切除は,術後合併症が多いことが課題であった.そこで,化学放射線療法後の局所遺残再発に対する救済治療として,内視鏡的切除や光線力学療法(PDT)といった低侵襲な治療が行われている.とくに,PDTは線維化の有無にかかわらず,固有筋層浅層までを治療対象とできる.さらに,第二世代光感受性物質であるレザフィリンを用いたPDTは,第一世代と比較して局所完全奏効率が高く,かつ光線過敏症を含めた合併症も少ない.有効性・安全性ともに高いPDTの,食道癌治療におけるさらなる貢献が期待される.
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