特集 食道癌診療の進歩―現状と課題
4 .食道癌の治療(7)光線力学的療法の現状
天沼 裕介
1
,
堀松 高博
1
,
武藤 学
1
1京都大学大学院医学研究科腫瘍薬物治療学講座
キーワード:
PDT
,
レザフィリン
,
食道癌
,
CRT後遺残再発
Keyword:
PDT
,
レザフィリン
,
食道癌
,
CRT後遺残再発
pp.1265-1270
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000084
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食道癌CRT/RT 後局所遺残再発のサルベージ治療として,レザフィリンPDT が2015 年10月より保険診療可能となった.食道癌に対するPDT は,光感受性物質レザフィリンを静注し,4〜6 時間後に内視鏡を用いて病変部位にレーザ照射することで,光化学反応を引き起こし腫瘍を変性壊死させる.遺残または再発病変が粘膜下層〜筋層までにとどまり,内視鏡的切除や手術が困難な症例に適応となる.医師主導治験では,完全奏効率88.5%と良好な成績を示し,光線過敏症やGrade 3 以上の非血液学的毒性は認めなかった.レザフィリンPDT は,食道癌CRT/RT 後局所遺残再発に対するサルベージ治療として安全かつ有効な治療である.
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