食道疾患の診療
Ⅲ 食道癌の診療 15 食道癌に対する光線力学療法(PDT)
浦部 昭子
1
,
矢野 友規
1
1国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科
キーワード:
光線力学療法
,
PDT
,
食道癌
Keyword:
光線力学療法
,
PDT
,
食道癌
pp.1125-1129
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002319
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
光線力学療法(photodynamic therapy;PDT)は,光感受性物質(photosensitizer;PS)とPSを励起するレーザーによる光化学反応を誘発して腫瘍細胞にダメージを与える治療方法である.PDTのおもな抗腫瘍メカニズムは,光化学反応によって活性酸素を発生させ腫瘍細胞を死滅させるもので,本邦では1994年に第一世代のPSを用いたPDTが表在食道癌に対する内視鏡治療として承認されている.米国では,第一世代PDTは異形成を伴うバレット食道に対する予防的治療や症状のある閉塞性食道癌の緩和治療として承認されている.しかし,その有害事象や手技の煩雑さ,さらには内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)やラジオ波,冷凍アブレーション療法などの内視鏡的治療法の発達により,世界的に食道癌に対するPDTの実施は少なくなっていた.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.