特集 肝硬変診療の新時代
巻頭言
吉治 仁志
1
1奈良県立医科大学消化器・代謝内科
pp.1527-1528
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001442
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この数年で肝硬変に対する診療はパラダイムシフトともいえるような進歩がみられている.肝硬変の進展抑制に対しては原因の除去を行う根本的治療が可能となってきた.わが国における肝硬変の原因としてもっとも多いC型肝炎に対しては直接的抗ウイルス薬(DAA)による抗ウイルス療法の進歩により非代償期を含めて多くの症例においてウイルス排除が可能となっている.栄養療法に関しても,これまで肝硬変患者の多くは低栄養状態にあったが近年の生活習慣病の増加に伴い肥満や耐糖能異常を有する症例が増えている.一方で,肝硬変患者では筋力・筋肉量の低下をきたすサルコペニアの頻度は高く,予後との関連も明らかにされていることから日本肝臓学会において「肝疾患におけるサルコペニア判定基準」が作成されている.
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