特集 除菌後時代を迎えた胃癌診療 ―残された課題を巡って
2 .H. pylori 未感染胃癌を巡る課題(1)内視鏡的・臨床病理学的特徴
赤澤 陽一
1
,
上山 浩也
1
,
八尾 隆史
2
,
永原 章仁
1
1順天堂大学医学部消化器内科
2順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
キーワード:
H. pylori 未感染胃癌
,
胃底腺型胃癌
,
印環細胞癌
Keyword:
H. pylori 未感染胃癌
,
胃底腺型胃癌
,
印環細胞癌
pp.1471-1480
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001422
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Helicobacter pylori(H. pylori)感染率は年代を追うごとに減少傾向であるが,H. pylori 未感染胃癌の報告は増加してきている.代表的な分類として,1.未分化型胃癌(M/L 領域の白色調の平坦・陥凹性病変),2.胃底腺型胃癌(U/M 領域の白色調の粘膜下腫瘍様隆起性病変)に加えて,3.低異型度の分化型胃癌が報告されており,3.低異型度の分化型胃癌については,内視鏡的・病理組織学的に,① 胃型形質の低異型度高分化腺癌(白色調扁平隆起型),② 胃型形質の低異型度高分化腺癌(raspberry 様・発赤調隆起型),③ 胃腸混合型形質の低異型度高分化腺癌の三つのタイプが報告されている.各分類別に内視鏡的・臨床病理学的特徴は徐々に明らかとなってきているが,今後,多数例での解析による詳細な分類作成,発癌・発育進展形式の解明と予後の解析が課題である.
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