特集 除菌後時代を迎えた胃癌診療 ―残された課題を巡って
1 .除菌後胃癌を巡る課題(3)除菌後胃癌の診断を巡って d.除菌後発見胃癌の好発部位は中間帯である
八木 一芳
1
,
星 隆洋
1
,
阿部 聡司
1
,
森田 慎一
1
,
須田 剛士
1
,
寺井 崇二
2
1新潟大学地域医療教育センター・魚沼基幹病院消化器内科
2新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学
キーワード:
除菌後胃癌
,
ピロリ菌
,
中間帯
,
慢性胃炎
Keyword:
除菌後胃癌
,
ピロリ菌
,
中間帯
,
慢性胃炎
pp.1444-1449
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001418
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既感染胃(除菌後など)では発赤の中に白い顆粒状を認める中間帯が観察される.除菌後発見胃癌では44 例中21 例が内視鏡的に中間帯に存在し,25 例は組織学的中間帯に存在した.中間帯は凹凸が目立ち,発赤と褪色が入り混じっており,その中に平坦な癌が発生した場合,発見が困難な症例も少なくないと推測される.詳細な観察が必要である.また中間帯からの胃癌発生は癌発生の機序を考えるにも非常に重要と思われる.筆者らが現在検討しているMUC6 とCDX2 に関しても最後に触れた.
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