特集 除菌後時代を迎えた胃癌診療 ―残された課題を巡って
1 .除菌後胃癌を巡る課題(3)除菌後胃癌の診断を巡って b.内視鏡診断の要点
藤崎 順子
1
1がん研有明病院消化器内科
キーワード:
除菌後胃癌
,
ESD
,
内視鏡診断
,
NBI
Keyword:
除菌後胃癌
,
ESD
,
内視鏡診断
,
NBI
pp.1428-1437
発行日 2020年10月20日
Published Date 2020/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001416
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当院の2019 年1 年間に施行されたESD 症例における除菌後胃癌の割合,組織型別治癒切除率,さらに2020 年8 月までの症例中の水平断端陽性例について検討した.ESD 症例から見た除菌後胃癌は分化型優位,未分化型優位とも約半数例であった.治癒切除率は未分化型に比べ分化型が著しく高かった.分化型は80%近くの症例が発赤調を呈し,未分化型では約80%が褪色調であった.水平断端陽性例は7 例あり,分化型5 例,未分化型2 例であった.分化型5 例中1 例が表面が正常粘膜に被覆された症例で3 例が介在する腸上皮化生により範囲診断困難となったものと考えられた.除菌後早期胃癌の今後の課題は未分化型早期胃癌の治癒切除率が39%と低く早期発見が重要と考えられた.
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