特集 薬剤性消化器疾患の診療
3 .薬剤性消化器疾患の治療(1)胃,十二指腸
千葉 俊美
1
,
菊池 哲
2
1岩手医科大学口腔医学講座関連医学分野
2恵仁会三愛病院消化器・肝臓内科
キーワード:
NSAIDs 起因性上部消化管傷害
,
非ステロイド性抗炎症薬
,
低用量アスピリン
,
抗血小板薬
,
抗凝固薬
Keyword:
NSAIDs 起因性上部消化管傷害
,
非ステロイド性抗炎症薬
,
低用量アスピリン
,
抗血小板薬
,
抗凝固薬
pp.719-726
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001199
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NSAIDs 潰瘍の治療はNSAIDs を中止し抗潰瘍薬の投与が推奨されている.NSAIDs 継続投与下におけるNSAIDs 潰瘍の治療およびNSAIDs 潰瘍再発予防にはPPI が,出血性潰瘍再発予防にはCOX‒2 選択的阻害薬にPPI 併用が有効である.また,LDA 潰瘍ではLDA は可能なかぎり休薬せずに潰瘍をPPI で治療し,LDA による潰瘍再発予防にはPPI の投与が推奨されている.NSAIDs とLDA の併用は上部消化管出血および潰瘍発生のリスクを高めるため,LDA 継続の際はCOX‒2 選択的阻害薬にPPI の併用が有用である.抗血栓薬の休薬に際して,二次予防における抗血小板薬の内服は継続が望ましく,ワルファリンおよびDOAC 服用者は血栓症イベントの発症リスクが高いため,ヘパリン置換や止血確認後できるかぎり速やかに再開を考慮する.
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