特集 薬剤性消化器疾患の診療
2 .薬剤性消化器疾患の診断(1)胃,十二指腸
坂田 資尚
1
,
岩切 龍一
2
1佐賀大学医学部附属病院消化器内科
2長晴会木下医院
キーワード:
非ステロイド性抗炎症薬
,
低用量アスピリン
,
ビスホスホネート
,
選択的セロトニン再取込み阻害薬
,
炭酸ランタン
Keyword:
非ステロイド性抗炎症薬
,
低用量アスピリン
,
ビスホスホネート
,
選択的セロトニン再取込み阻害薬
,
炭酸ランタン
pp.695-701
発行日 2020年6月20日
Published Date 2020/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001196
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社会の高齢化,多種類の薬剤の使用などにより薬剤性消化器疾患に遭遇する機会が増加している.薬剤性消化管傷害は種々の薬剤で惹起され,多彩な臨床像を呈する.近年,H. pylori 感染率の低下に伴い,アスピリンを含むNSAIDs による消化性潰瘍が増加し,それらを的確に診断し治療,予防することが重要となっている.2015 年の「消化性潰瘍診療ガイドライン」では,NSAIDs以外に潰瘍発生リスクを高める薬物として,ビスホスホネート製剤であるアレンドロン酸,フルオロウラシルなどの抗癌薬,選択的セロトニン再取込み阻害薬が挙げられている.その他,ダビガトランによる食道粘膜傷害や炭酸ランタンによる胃十二指腸病変など薬剤性消化器疾患は多様化している.
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