特集 慢性胃炎を再考する
11.H. pylori 未感染粘膜における印環細胞癌
藤崎 順子
1
1がん研有明病院消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター・ピロリ未感染
,
印環細胞癌
,
早期胃癌
Keyword:
ヘリコバクター・ピロリ未感染
,
印環細胞癌
,
早期胃癌
pp.1625-1630
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000993
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Helicobacter pylori(H. pylori)未感染粘膜背景に発生する印環細胞癌(sig)は既報のとおり,萎縮のない粘膜に褪色調の0—ⅡbもしくはⅡcとして認められる.われわれは細胞増殖能も低いことを報告しているが,サイズが大きくなると粘膜全層に発育し,SM浸潤する症例がまれではあるが認められている.SM浸潤症例2例ではpure sigではなく低分化腺癌(por)混在病変であった.当院のESD症例からの検討ではSM癌は2/93(2.2%)であった.H. pylori未感染sigの多くは粘膜中層~上層に存在し,全層発育する症例は少ないが15 mmを超えると全層発育し,SMに浸潤していく可能性が示唆された.
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