特集 慢性胃炎を再考する
4 .H. pylori 既感染胃粘膜の臨床検査所見―内視鏡・X線・病理を含めて
丸山 保彦
1
,
吉井 重人
1
,
景岡 正信
2
,
大畠 昭彦
1
,
寺井 智宏
1
,
星野 弘典
1
1藤枝市立総合病院消化器内科
2藤枝市立総合病院光学診療科
キーワード:
ヘリコバクター・ピロリ
,
既感染
,
地図状発赤
Keyword:
ヘリコバクター・ピロリ
,
既感染
,
地図状発赤
pp.1571-1575
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000986
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胃粘膜は除菌された時点の萎縮進行度と除菌後の期間により状況が異なる.未感染胃と区別がつかない状態まで改善している症例がある一方で,炎症は消失し高度萎縮のみが残っている症例まで幅が広い.内視鏡所見では現感染でみられるびまん性発赤は消退し皺襞の腫大や蛇行は改善,萎縮腺境界は不明瞭となり,地図状発赤が出現してくる.病理学的には現感染でみられる好中球はみられず,残存するリンパ球浸潤の改善と胃底腺の再生が徐々に起こってくる.地図状発赤は腸上皮化生である.機能的には胃酸分泌が回復し,ヘマチンの付着,体部,前庭部にびらんが出現することがある.
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