特集 慢性胃炎を再考する
6 .A型胃炎の臨床的・病理学的・内視鏡的特徴とB 型胃炎との鑑別
寺尾 秀一
1
,
鈴木 志保
1
,
渡辺 英伸
2
1加古川中央市民病院消化器内科
2PCLジャパン
キーワード:
A型胃炎
,
自己免疫性胃炎
,
B型胃炎
,
残存胃底腺
,
散在性微小白色隆起
,
固着粘液
Keyword:
A型胃炎
,
自己免疫性胃炎
,
B型胃炎
,
残存胃底腺
,
散在性微小白色隆起
,
固着粘液
pp.1585-1594
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000988
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A型胃炎は,わが国においてもまれな疾患ではない.A型胃炎の臨床的特徴として,著明な酸分泌抑制,高ガストリン血症,悪性貧血,PGⅠ・PGⅠ/Ⅱ比の極端な低下,鉄欠乏性貧血の合併,自己免疫性疾患の併発などがあげられる.A型胃炎とB型胃炎には際立った病理組織学的な差異がある.A型胃炎の内視鏡所見の特徴は,「逆萎縮」と表現される胃体部優位の萎縮,残存胃底腺,散在性微小白色隆起,固着粘液であるが,前庭部の所見は多様である.一方,B型胃炎の内視鏡像は,種々の段階の萎縮境界によって認識される,非萎縮領域のびまん性発赤・粘膜腫脹,萎縮領域の血管透見を伴う褪色像が基本である.A型胃炎とB型胃炎の合併の評価は慎重に行うべきである.
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