特集 胃癌診療2019―現状と課題
4 .胃癌治療の現状と課題(3)胃癌に対する腹腔鏡下手術の現状と展望
阿部 展次
1
,
鶴見 賢直
1
,
橋本 佳和
1
,
大木 亜津子
1
,
長尾 玄
1
,
竹内 弘久
1
1杏林大学医学部消化器・一般外科
キーワード:
胃癌
,
腹腔鏡下手術
,
腹腔鏡下幽門側胃切除術
,
腹腔鏡下胃全摘術
,
腹腔鏡内視鏡合同手術
Keyword:
胃癌
,
腹腔鏡下手術
,
腹腔鏡下幽門側胃切除術
,
腹腔鏡下胃全摘術
,
腹腔鏡内視鏡合同手術
pp.1369-1376
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000941
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胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術は幽門側胃切除術(laparoscopic distalgastrectomy;LDG)を中心に広く普及しており,今後もさらに増加していくことが予想されている.cStage Ⅲまでの胃癌に対するLDG は,その短期・長期成績のエビデンスはほぼ構築されつつあり,近い将来,標準的オプション治療として位置づけられる可能性も展望される.腹腔鏡下胃全摘術(laparoscopictotal gastrectomy;LTG)に関しては,cStageⅠ症例で短期成績に優れているとの報告がなされているが,その長期成績は,進行癌に対するLTG の短期・長期成績とともに,現在複数の大規模試験が進行中あるいは解析中の段階であり,現時点では不明と言わざるをえない.その一方で,進行胃癌への適応に際しての長期的な腫瘍学的問題や,その際のD2 郭清という手技的問題など,未解決な領域も多い.また,ESD( endoscopic submucosal dissection)やEFTR( endoscopic full‒thickness resection),LECS (laparoscopy and endoscopy cooperative surgery)などを応用した早期癌に対する縮小手術が報告されつつあるが,治療効果のエビデンスを得るにはさらなる症例の集積が必要である.
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