特集 胃癌診療2019―現状と課題
4 .胃癌治療の現状と課題(2)内視鏡治療(EMR/ESD)
塩月 一生
1
,
籔内 洋平
1
,
小野 裕之
1
1静岡県立静岡がんセンター内視鏡科
キーワード:
早期胃癌
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
Keyword:
早期胃癌
,
内視鏡的粘膜下層剝離術
pp.1359-1367
発行日 2019年9月20日
Published Date 2019/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000940
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早期胃癌に対するESD はデバイスの改良,ストラテジーの進歩に伴い,国内の多くの施設で可能な治療となった.「胃癌治療ガイドライン」第4版,「胃癌に対するESD/EMR ガイドライン」第1 版で適応拡大であった病変のうち,一部の適応拡大病変(「cT1a,>2 cm,UL0,分化型」および「cT1a,≦3cm,UL1,分化型」)は日本腫瘍臨床研究グループによる多施設共同前向き研究(JCOG0607)の結果を受け,「胃癌治療ガイドライン」第5 版では絶対適応病変となった.残りの適応拡大病変「cT1a,≦2 cm,UL0,未分化型」に関しても同様に多施設共同前向き研究(JCOG1009/1010)が行われ,2019 年刊行予定の「胃癌に対するESD/EMR ガイドライン」第2 版にて適応が変更になることが予定されている.社会の高齢化に伴い,高齢早期胃癌患者の診療機会が増加し,生活の質が保たれる内視鏡治療の需要はますます増加していくと思われる.今後は病変因子のみならず,高齢者特有の患者因子も考慮した治療の適応や追加外科切除の評価を検討していく必要があると思われる.
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