特集 腹膜炎・腹水に対する診療の進歩
3 .悪性腫瘍に伴う腹膜炎・腹水の診療(4) 婦人科癌による癌性腹膜炎
西尾 真
1
1久留米大学医学部産科婦人科学講座
キーワード:
卵巣がん
,
がん性腹水
,
ベバシズマブ
Keyword:
卵巣がん
,
がん性腹水
,
ベバシズマブ
pp.1025-1030
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000852
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婦人科がん,とくに卵巣がんにおける癌性腹水はQOLを著しく損ねてしまう原因であり,腹水をコントロールすることは症状を緩和するためだけでなく,患者のQOLを維持するうえで非常に重要である.そのためには,内科的治療と病態に応じた外科的処置を組み合わせた治療を行うことが重要であるが,難治性腹水を呈する症例にしばしば遭遇する.近年,卵巣がんでも保険収載となった血管新生阻害薬であるベバシズマブが,化学療法との併用により,卵巣がんの腹水コントロールに有用であったという臨床試験の結果が報告された.実地臨床においても広く行われ,腹水コントロールが以前に比べマネージメント可能となった.今後は単剤でのベバシズマブ腹腔内投与や他のモノクローナル抗体の治療効果にも期待したい.
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