特集 腹膜炎・腹水に対する診療の進歩
3 .悪性腫瘍に伴う腹膜炎・腹水の診療(3) 膵癌による癌性腹膜炎
里井 壯平
1
,
山本 智久
1
,
山木 壮
1
,
小坂 久
1
,
廣岡 智
1
,
松井 陽一
1
1関西医科大学外科学講座
キーワード:
膵癌
,
腹膜転移
,
癌性腹膜炎
,
conversion surgery
Keyword:
膵癌
,
腹膜転移
,
癌性腹膜炎
,
conversion surgery
pp.1019-1023
発行日 2019年6月20日
Published Date 2019/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000851
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膵癌腹膜転移(腹膜播種や癌性腹膜炎)患者は腹水貯留や消化管閉塞など多彩な随伴症状を有し,その予後はきわめて不良である.全身状態が不良な患者が多く,化学療法不能もしくは継続困難,さらに抗癌剤の静脈投与では腹膜への移行が困難であること,などがその要因と考えられる.腹膜転移に対する効果的な治療は存在せず,腹腔内化学療法の有効性が期待されている.随伴症状である腹水貯留・腸管狭窄・水腎症などに対しては侵襲的治療が必要となり,多職種によるチーム医療が不可欠となる.本稿では腹膜播種や癌性腹膜炎の臨床的特徴やその治療方法ならびに将来展望について概説する.
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