特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅰ.診断
1.潰瘍性大腸炎
(4)癌のサーベイランス
鈴木 公孝
1
,
武藤 徹一郎
2
,
正木 忠彦
2
,
篠崎 大
2
,
樋口 芳樹
2
,
横山 正
2
1大蔵省印刷局東京病院外科
2東京大学医学部第1外科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
dysplasia
,
サーベイランス
,
核DNA量
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
大腸癌
,
dysplasia
,
サーベイランス
,
核DNA量
pp.299-308
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105061
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要旨 1979年から1995年までの17年間に当科で行われた潰瘍性大腸炎に対する癌のサーベイランスについて報告する.7年以上経過した全大腸炎型あるいは左側大腸炎型の163例に対し,年1回の大腸内視鏡検査および10cmごとの生検を少なくとも1回行った.5例(3.1%)の大腸癌を発見したが,同時期にサーベイランスを経ずに発見された5例の大腸癌に比し予後は良好であった,dysplasiaは全大腸炎型104例から23例(22%),左側大腸炎型59例から4例(7%)が発見された。high-grade dysplasiaを認めた7例中3例(43%)に浸潤癌の合併が確認されハイリスクグループと考えられた.low-grade以下のdysplasiaについては診断および自然史について不明な点が多く,今後の課題である.
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