特集 リンチ症候群と遺伝性消化管ポリポーシス
2.遺伝性消化管ポリポーシス(6)Peutz‒Jeghers 症候群
坂本 博次
1
,
相良 裕一
1
,
矢野 智則
1
,
山本 博徳
1
1自治医科大学内科学講座消化器内科学部門
キーワード:
Peutz‒Jeghers 症候群
,
過誤腫性ポリポーシス
,
色素斑
,
バルーン内視鏡
,
LKB1/STK11 遺伝子
Keyword:
Peutz‒Jeghers 症候群
,
過誤腫性ポリポーシス
,
色素斑
,
バルーン内視鏡
,
LKB1/STK11 遺伝子
pp.640-646
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000760
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Peutz‒Jeghers 症候群は,食道を除く消化管の過誤腫性ポリポーシス,口唇・口腔粘膜・指尖部を中心とする皮膚・粘膜の色素斑,常染色体優性遺伝を3 主徴とする疾患である.原因遺伝子は癌抑制遺伝子のLKB1/STK11である.ポリープは粘膜上皮の過形成と粘膜筋板からの平滑筋線維束の樹枝状増生が特徴であり,小腸で増大したポリープにより腸重積をきたし,開腹手術が余儀なくされることが多い.近年ではバルーン内視鏡下でポリープに対する内視鏡的治療を定期的に行うことで手術を回避できるようになっているため,8 歳までに消化管のサーベイランスを行うことが望ましい.消化器癌,乳癌,卵巣癌,子宮癌(最小偏倚腺癌),セルトリ細胞腫,肺癌等の悪性腫瘍合併発症リスクが高く,サーベイランスも重要である.
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