特集 リンチ症候群と遺伝性消化管ポリポーシス
2.遺伝性消化管ポリポーシス(5)Cowden 症候群
寺前 智史
1
,
田中 久美子
1
,
岡本 耕一
1
,
佐藤 康史
1
,
六車 直樹
1
,
高山 哲治
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部消化器内科学
キーワード:
Cowden 症候群
,
PTEN 遺伝子
,
過誤腫
Keyword:
Cowden 症候群
,
PTEN 遺伝子
,
過誤腫
pp.633-639
発行日 2019年5月20日
Published Date 2019/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000759
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Cowden 症候群は,皮膚・粘膜,消化管,乳腺,甲状腺など全身臓器に過誤腫性病変が多発する常染色体優性遺伝性疾患である.顔面小丘疹,口腔粘膜乳頭腫などの特徴的な皮膚病変を呈し,食道から直腸にいたる全消化管にポリポーシスを高率に合併する.食道に多発する白色扁平隆起は本症の特徴的な所見である.また乳癌などの悪性腫瘍を合併する例も多く,適切なサーベイランスが重要である.診断は,皮膚病変,悪性腫瘍,家族歴などを契機に行われる.有病率は20~25 万人に1 人と推定されているが,見逃されている症例も少なくない.原因遺伝子の一つとしてPTEN 遺伝子が同定されており,約80%の患者に変異を認める.近年,本症において大腸癌が増加していることも報告されている.
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