連載 検査値の読み方
NASHとの鑑別が困難であった自己免疫性肝炎による肝硬変の1例
淺岡 良成
1,2
,
田中 篤
2
,
小池 和彦
1
1東京大学医学部附属病院消化器内科
2帝京大学医学部附属病院内科
キーワード:
自己免疫性肝炎
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
burned‒out NASH
Keyword:
自己免疫性肝炎
,
非アルコール性脂肪肝炎
,
burned‒out NASH
pp.576-582
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000746
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近年,肥満人口が増加し,これに伴って非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の増加が著しい.肥満を伴った症例において他の肝疾患の合併を鑑別することは必ずしも容易ではない.とくに肝硬変に至ったNASH 症例においては,肝臓における脂肪化が減弱し,画像による診断が困難となる.さらに自己免疫性肝炎のマーカーであるIgG の上昇は,肝硬変症例においては非特異的に認めるため,肝硬変に至った症例において,自己免疫性肝炎とNASH の鑑別はさらに困難になる.今回,われわれは,肥満を伴い急速に進行した肝硬変で紹介され,肝生検で診断,長期的なステロイド治療が奏効した自己免疫性肝炎の症例を経験したため提示する.
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