特集 いま求められる肝炎の知識
自己免疫性肝炎の診断と治療
恩地 森一
1
1愛媛大学医学部第3内科
キーワード:
自己免疫性肝炎
,
ウイルス肝炎
,
劇症肝炎
,
薬物性肝障害
,
プレドニゾロン
Keyword:
自己免疫性肝炎
,
ウイルス肝炎
,
劇症肝炎
,
薬物性肝障害
,
プレドニゾロン
pp.691-695
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100674
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis : AIH)の患者数は,わが国では6,800人以上と推定されている.男女比は1:7である.10~30歳での発症もあるが,多くは40歳以降の中年女性で,わが国では更年期にピークが1つある.欧米では思春期と更年期の2つのピークがある.思春期発症例にはHLA-DR3が多く,更年期発症例にはDR4が多い.わが国に多いDR4陽性者は中年以降で,軽症でステロイドホルモンへの反応もよい.欧米ではDR3のAIHも多く,若年女性に発症し,重症で副腎皮質ホルモン治療に抵抗性で,肝硬変への進展も速い1).
AIHは病像と自己抗体の差異によりⅠ,Ⅱ,Ⅲ型に分類される.ほとんどはⅠ型である2).
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.