Japanese
English
症例報告
自己免疫性肝炎患者に生じた皮膚プロトテコーシスの1例
A case of cutaneous protothecosis associated with autoimmune hepatitis
清永 千晶
1
,
松田 光弘
1
,
吉村 和弘
2
,
川村 みゆき
3
,
名嘉眞 武国
3
Chiaki KIYONAGA
1
,
Mitsuhiro MATSUDA
1
,
Kazuhiro YOSHIMURA
2
,
Miyuki KAWAMURA
3
,
Takekuni NAKAMA
3
1公立八女総合病院皮膚科
2よしむら皮ふクリニック
3久留米大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Yame General Hospital, Yame, Japan
2Yoshimura Skin Clinic, Chikugo, Japan
3Department of Dermatology, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan
キーワード:
皮膚プロトテコーシス
,
プロトテカ
,
イトラコナゾール
,
自己免疫性肝炎
Keyword:
皮膚プロトテコーシス
,
プロトテカ
,
イトラコナゾール
,
自己免疫性肝炎
pp.265-270
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205022
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要約 63歳,女性.自己免疫性肝炎に対してプレドニゾロン20mg/日およびアザチオプリン50mg/日の内服で加療中であった.左手指の紅斑・びらんを主訴に当科を受診した.皮膚生検および培養検査にて皮膚プロトテコーシスと診断した.イトラコナゾール100mg/日で内服加療を3か月行ったが改善乏しく,200mg/日に増量した.その後,3か月で紅斑,びらんは褐色調の色素沈着を残すのみとなった.プロトテコーシスとは,葉緑体を欠く藻類に分類されるプロトテカによる稀な感染症である.自然界に広く分布し,免疫不全状態が感染のリスクとされる.プロトテコーシスは病理組織検査と培養検査によって特徴的な所見を示すことから,免疫不全患者で難治性皮膚病変を認めた際は,本症も念頭に置き確実に診断することが重要であると考えた.
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