特集 溶連菌感染症を見直す
8.IgA血管炎
堀場 千尋
1
,
西村 直子
2
,
尾崎 隆男
2
1名古屋大学大学院医学系研究科小児科学
2江南厚生病院こども医療センター
キーワード:
A群溶血性レンサ球菌
,
IgA血管炎
,
anti-streptolysin O antibody
,
anti-streptokinase antibody
,
血清型
Keyword:
A群溶血性レンサ球菌
,
IgA血管炎
,
anti-streptolysin O antibody
,
anti-streptokinase antibody
,
血清型
pp.1553-1558
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000632
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IgA血管炎は紫斑,腹痛,関節痛を三主徴とする非血小板減少性の全身性小血管炎である.先行感染を認めることが多く,なかでもA群溶血性レンサ球菌(GAS)の感染が多いとされている.2008年5月~2014年4月の6年間に江南厚生病院こども医療センターに,105例の小児がIgA血管炎のため入院した.27例(26%)において,GAS分離,GAS関連抗体(ASO,ASK)の高値または有意上昇のいずれかを認め,GAS感染の関与が示唆された.咽頭ぬぐい液からのGAS分離率は16%(17/105)であった.GAS関与例27例と非関与例78例の臨床像で,両群間に違いはなかった.今後,IgA血管炎に関与したGASの血清型やGAS除菌によるIgA血管炎の予防効果についての検討が必要である.
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