特集 血流障害と消化管疾患
2 .虚血性腸病変(6)腸間膜静脈硬化症
久部 高司
1
,
大津 健聖
1
,
平井 郁仁
2
,
八尾 建史
3
,
植木 敏晴
1
,
岩下 明德
4
1福岡大学筑紫病院消化器内科
2福岡大学筑紫病院炎症性腸疾患センター
3福岡大学筑紫病院内視鏡部
4福岡大学筑紫病院病理部
キーワード:
腸間膜静脈硬化症
,
漢方薬
,
大腸
Keyword:
腸間膜静脈硬化症
,
漢方薬
,
大腸
pp.53-58
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000619
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腸間膜静脈硬化症(mesenteric phlebosclerosis)は,本邦で疾患概念が提唱された疾患である.本疾患は腸間膜静脈の石灰化に起因した還流障害によるもので,組織学的に腸壁の膠原線維の沈着が主体である.病変は右側結腸を主座として,大腸内視鏡検査では腸管の色調は青銅色から暗黒色を呈し,管腔は狭小化や半月ひだの肥厚を認める.腹部単純X線やCT検査では腸管周囲に石灰化を,注腸X線検査では管腔の不整,硬化像,狭小化,拇指圧痕像を認める.近年では山梔子を含む漢方薬の長期服用がその原因の一つとされている.山梔子の休薬により多くは症状の改善を認めるが,腸管の変形が強い症例や狭窄を伴う症例では手術が必要となる.
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