膵癌update
Ⅴ トピックス ③腹膜播種の化学療法― 腹膜転移膵癌の化学療法
里井 壯平
1
,
山本 智久
1
,
山木 壮
1
,
井上 健太郎
1
,
柳本 泰明
1
,
松井 陽一
1
1関西医科大学外科学講座
キーワード:
膵癌
,
腹膜転移
,
conversion surgery
,
先進医療
Keyword:
膵癌
,
腹膜転移
,
conversion surgery
,
先進医療
pp.946-949
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000419
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遠隔転移膵癌の治療成績は,最近の大規模臨床試験の結果からFOLFIRINOX,ゲムシタビン(GEM)+nab–パクリタキセル(PTX)などの新規レジメンによる生存期間の延長〔生存期間中央値(MST)8~11カ月〕が報告されてきた.腹膜転移膵癌は,多彩な癌随伴症状を呈し,従来の全身化学療法の効果が乏しく,その予後は6~7週間と報告されている.一方で化学療法剤の腹腔内投与は腹膜播種性病変,腹腔内遊離癌細胞ならびに原発巣に対しての治療効果が期待される.
われわれは,胃癌領域で良好な治療成績が報告されているS–1+PTX経静脈・腹腔内投与(i.v.╱i.p. PTX)併用療法を腹膜転移膵癌患者に導入してきた.多施設研究で得られた知見とわれわれの経験をもとに,腹膜転移膵癌に対する当該治療の臨床的効果と今後の展望について概説する.
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