Japanese
English
特集 進行消化器癌のconversion surgery
II. 各論
4.膵臓癌
-1)切除不能膵癌
Conversion surgery for patients with unresectable pancreatic ductal adenocarcinoma
里井 壯平
1
,
山本 智久
1
,
柳本 泰明
1
,
小坂 久
1
,
廣岡 智
1
,
山木 壮
1
,
小塚 雅也
1
,
道浦 拓
1
,
井上 健太郎
1
,
松井 陽一
1
,
權 雅憲
1
S. Satoi
1
,
T. Yamamoto
1
,
H. Yanagimoto
1
,
H. Kosaka
1
,
S. Hirooka
1
,
S. Yamaki
1
,
M. Kotsuka
1
,
T. Michiura
1
,
K. Inoue
1
,
Y. Matsui
1
,
M. Kon
1
1関西医科大学外科
キーワード:
切除不能膵癌
,
conversion surgery
,
局所進行膵癌
,
遠隔転移膵癌
Keyword:
切除不能膵癌
,
conversion surgery
,
局所進行膵癌
,
遠隔転移膵癌
pp.51-56
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka80_51
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切除不能膵癌は,他癌腫と異なり局所進行ならびに遠隔転移の二つの非治癒因子が存在する.診断時に画像上切除不能膵癌と診断され,化学(放射線)療法などの集学的治療によって腫瘍が縮小し全身状態が良好な患者に対して施行された手術をconversion surgeryと呼び,高い病理学的根治切除率(およそ80%)ならびにリンパ節転移陰性率(およそ80%)を通じて,切除可能膵癌とほぼ同等の治療成績が報告されてきた.局所進行膵癌の17~36%,遠隔転移の5%以下が相当し,その予後は25~56ヵ月と良好であるものの,20~30%の患者に切除後半年以内に再発することが指摘されている.今後,conversion surgeryの恩恵を享受できる患者を選別するために,最適な集学的治療のレジメン,治療期間,術後補助治療など臨床的課題に対する回答を求める臨床試験の遂行が重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018