膵癌update
Ⅳ 鑑別疾患と類縁疾患 ①慢性膵炎
伊藤 謙
1
,
岸本 有為
1
,
岩崎 将
1
,
吉本 憲介
1
,
岡野 直樹
1
,
五十嵐 良典
1
1東邦大学医療センター大森病院消化器内科
キーワード:
慢性膵炎
,
膵癌
,
危険因子
,
画像診断
Keyword:
慢性膵炎
,
膵癌
,
危険因子
,
画像診断
pp.892-898
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000410
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
慢性膵炎はアルコール性が多く,膵の持続する炎症と線維化が進行し,最終的には膵が荒廃する疾患である.慢性膵炎の長期予後として悪性腫瘍の合併がある.2006年の全国追跡調査によれば,慢性膵炎の死因で悪性新生物が43.1%と最多であり,その内訳では膵癌が24%を占めている.
しかし膵癌は早期の段階では自覚症状が出にくく,健診での腫瘍マーカーや腹部超音波によるスクリーニング検査で発見された時点で,すでに手術不能進行膵癌であることが多い.そのためそのリスクファクターや前癌病変を明らかにすることは臨床上も非常に重要である.本稿では慢性膵炎と膵癌との鑑別について述べる.
Copyright © 2018, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.