特集 ガイドラインに基づいた肝癌診療
3.肝癌治療の実際(4)薬物療法
山下 竜也
1
,
寺島 健志
1
,
荒井 邦明
1
,
金子 周一
1
1金沢大学附属病院消化器内科
キーワード:
分子標的薬
,
肝動注化学療法
,
ソラフェニブ
,
レゴラフェニブ
,
レンバチニブ
Keyword:
分子標的薬
,
肝動注化学療法
,
ソラフェニブ
,
レゴラフェニブ
,
レンバチニブ
pp.633-640
発行日 2018年5月20日
Published Date 2018/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000350
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2017 年10 月に改訂された「肝癌診療ガイドライン」に基づいた肝細胞癌に対する薬物療法では,治療対象は肝外転移のある症例,脈管侵襲のある症例,肝動脈化学塞栓療法にて制御できない4 個以上の肝内多発例である.分子標的薬としては,Child‒Pugh 分類A の症例に一次治療としてソラフェニブまたはレンバチニブが強く推奨されるが,レンバチニブは新たに登場した薬剤であるのでその実臨床での評価は未定である.二次治療としてレゴラフェニブが適応の限られた症例で推奨される.主要脈管侵襲や腫瘍量の多い肝内多発例などの肝内進行例に対しては肝動注化学療法も選択肢となる.現在用いることのできる薬剤を適正に使用し進行肝細胞癌の予後改善を目指す必要がある.
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