特集 緊急内視鏡の適応と実際
4 .上部消化管出血(非静脈瘤)
島岡 俊治
1
,
古川 淳一郎
1
,
飯福 沙織
1
,
馬場 由紀子
1
,
楠元 大岳
1
,
海田 正俊
1
1鹿児島共済会南風病院消化器内科
キーワード:
上部消化管出血
,
非静脈瘤性
,
内視鏡的止血術
Keyword:
上部消化管出血
,
非静脈瘤性
,
内視鏡的止血術
pp.497-503
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000316
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ガイドラインに基づき非静脈瘤性上部消化管出血における緊急内視鏡の適応と実際について解説した.上部消化管出血が疑われる際は,まず患者の重症度を評価し,輸液によるバイタルサインの安定化をはかる.次に理学的所見,検査結果から緊急内視鏡検査の適応を検討する.止血術の第一選択は内視鏡的止血術である.さまざまな方法が考案されており,単独あるいは組み合わせて行う.非静脈瘤性上部消化管出血のほとんどの例で内視鏡的止血がコントロール可能であるが,困難な場合はinterventionalradiology( IVR)あるいは外科手術を考慮する.非静脈瘤性上部消化管出血に対する内視鏡での止血率は良好でありプロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬(H2RA)が再出血予防に有用であるが慢性疾患に伴う血管性病変では多発病変からの繰り返す出血により複数回の止血術を要することがある.
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