特集 緊急内視鏡の適応と実際
5 .小腸出血
中村 正直
1
,
大宮 直木
2
,
廣岡 芳樹
3
,
後藤 秀実
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
2藤田保健衛生大学消化管内科
3名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
血管性病変
Keyword:
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
血管性病変
pp.505-511
発行日 2018年4月20日
Published Date 2018/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000317
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小腸出血の診断はカプセル内視鏡(capsuleendoscopy;CE)とバルーン内視鏡(balloon‒assisted endoscopy;BAE)を中心に行う.2015年12 月に小腸内視鏡診療ガイドラインが提唱された.小腸出血が疑われた場合,まず問診により,年齢,基礎疾患,薬剤内服歴,既往歴などをチェックする.上下腹部造影CT 検査を施行し,腸管内への造影剤の漏出がないか,出血源となる炎症疾患,腫瘍や憩室がないか,またCE 滞留の原因になるような閉塞機転がないかを確認する.CT で異常があればダイレクトでBAE を,CT で異常がなければ小病変を考慮しCE を行う.小腸出血における緊急内視鏡では,持続出血と画像による出血の所見がその適応となる.持続出血は今もまさに出血中,もしくは最後の出血から48 時間以内の場合である.緊急内視鏡によって診断される出血源は血管性病変が半数以上であり,緊急内視鏡時には血管性病変を念頭に検査に臨む.
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