特集 便秘と慢性腎臓病・透析医療
10.慢性便秘症の専門的検査と専門施設への紹介基準
味村 俊樹
1
,
本間 祐子
1
,
堀江 久永
1
1自治医科大学消化器一般移植外科
キーワード:
大腸通過時間検査
,
排便造影検査
,
大腸通過遅延型便秘症
,
大腸通過正常型便秘症
,
便排出障害
Keyword:
大腸通過時間検査
,
排便造影検査
,
大腸通過遅延型便秘症
,
大腸通過正常型便秘症
,
便排出障害
pp.397-407
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002101
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慢性便秘症の初期診療において,複数の下剤を用いた薬物療法でも排便回数が少ないままか腹痛・腹部膨満感を訴える場合は,大腸通過時間検査が可能な専門施設に紹介する.大腸通過時間検査は,排便回数減少型便秘症を大腸通過遅延型と大腸通過正常型に鑑別するのみならず,便秘ではない過敏性腸症候群,機能性腹痛症・腹部膨満症の鑑別にも有用である.初期診療での下剤で軟便化しても排便困難・残便感を訴えたり頻回に坐薬・浣腸を必要とする場合は,排便造影検査が可能な専門施設に紹介する.排便造影検査は,排便困難型便秘症を機能性便排出障害と器質性便排出障害に鑑別するのみならず,便秘ではない排便強迫神経症の鑑別にも有用である.
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