特集 機能性消化管疾患―診療UPDATE
2.機能性下部消化管疾患(2)慢性便秘症―定義,分類,診断と治療
中島 淳
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1横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室
キーワード:
便排出障害型便秘
,
大腸通過遅延型便秘
,
大腸通過正常型便秘
Keyword:
便排出障害型便秘
,
大腸通過遅延型便秘
,
大腸通過正常型便秘
pp.527-533
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001761
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慢性便秘症は排便回数の病的低下や怒責などの排便困難症状を訴える状態である.慢性便秘症には薬剤性や症候性などの続発性があり,原発性の機能性便秘は結腸通過時間の異常の有無と直腸肛門機能異常の有無により,① 大腸通過正常型便秘(normal transit constipation),② 大腸通過遅延型便秘(slow transit constipation),③ 便排出障害型便秘(outlet-obstruction)の三つに分類される.治療のゴールは排便の有無ではなく,便形状の正常化(タイプ4)にすることである.消化器専門医は,大腸内視鏡での器質性疾患の除外に加え直腸指診で直腸肛門機能異常の鑑別も行うべきである.
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