特集 便秘・下痢―医師必見のUp-to-Date 2020
便秘症へのアプローチ
定義・分類・診断基準
大久保 秀則
1
,
三澤 昇
1
,
吉原 努
1
,
冬木 晶子
1
,
中島 淳
1
1横浜市立大学附属病院肝胆膵消化器病学
キーワード:
慢性便秘症診療ガイドライン
,
大腸通過時間正常型
,
大腸通過時間遅延型
,
便排出障害
Keyword:
慢性便秘症診療ガイドライン
,
大腸通過時間正常型
,
大腸通過時間遅延型
,
便排出障害
pp.17-20
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_17
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪慢性便秘症とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」である.
▪原因による分類,臨床症状による分類,病態による分類など,さまざまな観点から分類が可能であるが,国際的には大腸通過遅延型,便排出障害など「病態」に基づいた分類が最もポピュラーである.
▪機能性便秘症の診断基準として全世界で広く用いられているRome-Ⅳ基準は,いきみ(怒責),便形状,残便感,閉塞感,便回数などを総合的に加味して作成されており,症状のみで診断できるという点で日常臨床において有用性が高い.
▪日常臨床では,診断基準を満たさなくても「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」で患者の日常生活が支障されるようであれば,慢性便秘症として適切に対処すべきである.
© Nankodo Co., Ltd., 2020