特集 腸内細菌と臨床
1 .腸内細菌と消化器疾患(3)腸内細菌と便通異常・過敏性腸症候群
金澤 素
1
,
福土 審
1
1東北大学大学院医学系研究科行動医学分野
キーワード:
腸内細菌
,
過敏性腸症候群
,
便秘,脳‒腸‒腸内細菌軸
,
プロバイオティクス
Keyword:
腸内細菌
,
過敏性腸症候群
,
便秘,脳‒腸‒腸内細菌軸
,
プロバイオティクス
pp.1325-1333
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000099
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近年,炎症・免疫異常とともに,腸内細菌叢の変化が,過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)をはじめとする機能性消化管疾患(functional gastrointestinal disorders;FGID)の病態に対して重要な役割を果たすのではないかと考えられるようになり,脳‒腸‒腸内細菌軸の病態の概念が注目されている.IBS 患者では健常者とは異なる腸内細菌叢のパターンを示すが,IBS に特徴的な腸内細菌種は同定されるに至っていない.一方,便秘症状に寄与する優位な腸内細菌群が示されているが,詳細は明らかになっていない.腸内細菌叢を変容させる食事療法,プロバイオティクス,抗菌薬,さらには糞便移植が今後のFGID治療として期待される.
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