特集 機能性消化管疾患―診療UPDATE
3.機能性消化管疾患理解のための注目の視点(3)過敏性腸症候群に対する治療の潮流
佐藤 研
1
1弘前大学大学院医学研究科消化器血液内科
キーワード:
過敏性腸症候群
,
腸内細菌
,
食事療法
,
低FODMAP食
,
プロバイオティクス
Keyword:
過敏性腸症候群
,
腸内細菌
,
食事療法
,
低FODMAP食
,
プロバイオティクス
pp.552-557
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001765
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粘膜透過性亢進,粘膜炎症,内臓知覚過敏といった病態生理が,IBS症状を形成しており,腸内細菌はそれらの病態生理に大きな影響を与えていることが解明されてきた.脳腸相関の概念に腸内細菌の影響を考慮した,脳-腸-腸内細菌軸の概念が注目されている.低FODMAP食,プロバイオティクス,抗菌薬,便移植といった腸内細菌に影響を与え,腸内環境を調整しうる治療法の研究が進められてきており,IBSの治療選択が広がりつつある.それぞれの治療法のIBSに対する有効性に関してエビデンスの高い論文も集積されてきたが,作用機序の解明には不明な点も多く,治療プロトコールの確立など,今後のさらなる検討が期待されている.
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