特集 腸内細菌をめぐって
Ⅲ.機能性胃腸症と腸内細菌(1)過敏性腸症候群の病態における腸内細菌の役割
福土 審
1
1東北大学大学院医学系研究科行動医学・東北大学病院心療内科
キーワード:
過敏性腸症候群
,
腸内細菌
,
脳腸相関
,
粘膜透過性
Keyword:
過敏性腸症候群
,
腸内細菌
,
脳腸相関
,
粘膜透過性
pp.315-320
発行日 2017年7月20日
Published Date 2017/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000076
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過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)の病態に腸内細菌が大きく関与している可能性が高くなっている.感染性腸炎後にIBS が発症し,IBSの腸内細菌組成も健常者と異なる.IBS 糞便中の短鎖脂肪酸の濃度は消化器症状,quality of life,性格傾向まで影響している.ストレスは腸内細菌組成を変容させ,粘膜透過性亢進と内臓知覚過敏を招き,IBS の病態に沿った病理変化を起こす.IBS の腸内細菌を変容させ,症状が改善する場合には,同時に抑うつを中心とする中枢機能が改善する.脳腸相関に沿ったIBS の腸内細菌のさらなる検討が有望である.
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