特集 腸内細菌と臨床
2 .腸内細菌と他疾患(1)腸内細菌と精神疾患
金子 宏
1
1星ヶ丘マタニティ病院内科・心療内科
キーワード:
視床下部‒下垂体‒副腎軸
,
心身症
,
うつ病
,
自閉症
,
プロバイオティクス
Keyword:
視床下部‒下垂体‒副腎軸
,
心身症
,
うつ病
,
自閉症
,
プロバイオティクス
pp.1365-1370
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000104
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19世紀末には腸で発生した毒素がうつ病,不安,精神病につながるという「自家中毒」が信じられていた.生体は有害なストレスにさらされたとき,視床下部‒下垂体‒副腎軸と交感神経系を活性化させて恒常性を維持させる.無菌マウスでは前者が亢進し,正常マウスの腸内細菌移植で正常化するとの本邦からの重要な発見もあり,脳‒腸‒腸内細菌軸がクローズアップされている.その流れのなかで腸内細菌と精神疾患の関係が明らかになりつつある.とりわけ,腸内細菌とうつ病・自閉症の臨床研究が進んでいる.ともに多彩な消化器症状が高率にみられるが,まさに脳‒腸‒腸内細菌軸研究の先端分野となっている.
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