特集 新規リン低下薬テナパノル症例集―使い方,副作用への対処
2.テナパノル塩酸塩による軟便・下痢および下痢による投薬中止の頻度と,非透析日のみの内服へ変更した使用経験
加藤 明彦
1
,
小菅 和仁
2
1市立湖西病院腎臓内科
2新風会丸山病院薬剤科・薬剤師
キーワード:
軟便
,
下痢
,
投薬中止
,
非透析日
Keyword:
軟便
,
下痢
,
投薬中止
,
非透析日
pp.1226-1231
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003575
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
テナパノル塩酸塩(以下,テナパノル)は,腸管上皮細胞間隙におけるリン透過性を低下させ,便中へのリン排泄が増加し血清リン値を低下させる薬剤である.日本人健常ボランティアを対象とした第1相試験では,テナパノル15 mgまたは30 mgを1日2錠,7日間服用すると,便中のリン排泄量はプラセボ群の16.8±7.9 mEq/L/dayと比べ,それぞれ21.5±6.5 mEq/L/day,23.4±7.0 mEq/L/dayと増加した.同様にナトリウム排泄量もプラセボ群の4.1±3.1 mEq/L/dayと比べ,それぞれ21.3±17.8 mEq/L/day,32.2±16.8 mEq/L/dayと増えたことから,服用後は腸管内に水分が貯留し,軟便・下痢が出現しうる.

Copyright © 2025, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.