特集 透析患者の骨粗鬆症と骨折を理解する
4.骨粗鬆症の薬物治療(5)新規作用機序を有する骨粗鬆症治療薬ロモソズマブの特徴と透析患者への使用
山下 裕也
1
,
深水 圭
1
1久留米大学医学部内科学講座腎臓内科部門
キーワード:
ロモソズマブ
,
スクレロスチン
,
ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体
,
骨粗鬆症
Keyword:
ロモソズマブ
,
スクレロスチン
,
ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体
,
骨粗鬆症
pp.297-302
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003341
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透析患者をはじめとした慢性腎臓病患者では骨折リスクが増大している.そのため,透析患者では骨密度検査・脆弱性骨折の既往の有無を評価し,必要ならば早期からの薬物治療介入・CKD-MBD治療の適正化を行う必要がある.骨粗鬆症治療は長期間を要するため,骨吸収抑制剤と骨形成促進剤の逐次療法が必要であるが,適応を満たせば骨形成促進剤から使用することが望ましい.透析患者では海綿骨のみならず皮質骨にも高い有効性が期待される治療が重要であるが,抗スクレロスチン抗体薬であるロモソズマブは骨形成促進と吸収抑制作用のデュアル・エフェクトにて,皮質骨に対しても有効性が高く,安全性に留意した使用をすれば高い有効性が期待できる.

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