特集 世間の荒波にもまれるCKD-MBD 治療
2.CKD-MBDの治療(3)ビタミンD製剤再評価
濱野 高行
1,2
1名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科学分野
2大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科
キーワード:
低Ca血症性心筋症
,
転倒
,
骨軟化症
,
天然型ビタミンD
Keyword:
低Ca血症性心筋症
,
転倒
,
骨軟化症
,
天然型ビタミンD
pp.356-362
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001228
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KDIGO は,軽度の低カルシウム(Ca)血症は看過しても高Ca 血症は避けるべきという観点から,活性型ビタミンD の保存期使用に関し限定的な記載をしている.しかし近年,低Ca 血症と心血管イベントの関連も報告された.骨折起点になる転倒の抑制効果や骨軟化症におけるこの薬剤の恩恵を考えると,低Ca 血症治療の一つとして不可欠な薬剤である.ただし,血清Ca 濃度は9.5 mg/dL を超えない範囲が好ましいだろう.天然型ビタミンD は血清Ca やリン濃度の上昇作用が弱いことを考えると,日本でもサプリメントとしての投与を考えてもよい.ただし,骨折や転倒をむしろ増やすことが報告されている間欠的大量投与でなく,連日少量投与が安全である.
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