特集 いざ実践!透析患者の栄養管理
7.脂肪摂取はどう考える?
猪野瀬 渚
1
1自治医科大学附属さいたま医療センター栄養部・管理栄養士
キーワード:
低栄養
,
高齢透析患者
,
中鎖脂肪
,
n-3系多価不飽和脂肪酸
Keyword:
低栄養
,
高齢透析患者
,
中鎖脂肪
,
n-3系多価不飽和脂肪酸
pp.1510-1515
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003209
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透析患者にとって,適正なエネルギー量および栄養素量を摂取することは重要である.とくに,エネルギーの摂取不足は,体蛋白の異化が亢進し低栄養のリスクになる.それを回避するために,たんぱく質と同様に効果的な脂肪酸の摂取として中鎖脂肪酸,n-3系多価不飽和脂肪酸への注目が高まっている.サルコペニア・フレイル予防の観点から注目されている中鎖脂肪酸から構成される中鎖脂肪は,消化・吸収が速く,体脂肪として蓄積しにくい特徴をもつ.n-3系多価不飽和脂肪酸は,抗炎症作用をもつ脂肪酸として透析患者には重要な脂肪酸といえる.脂質を脂肪酸レベルで考え食事療法に取り入れることは,透析患者の低栄養改善に有効と考えられる.
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