6．コミュニケーション力で患者を支える（1）悩み事を表出できない患者との関係構築

医療者が透析患者と関係の構築をすることは，患者の長期的な療養生活を見据えた支援を行ううえで大切である．そのなかでも看護師は，慢性疾患をもつ患者の身体・心理・社会的側面を捉え，自己実現に向けて療養生活の支援をする立場として関わる役割を担っている．透析患者に限らず，慢性腎臓病患者に関わる看護師は「病とともに生きる自分らしい生き方はどのようなものか」「生き生きと暮らしていくためには，どのような生活の見直しや調整が必要なのか」といったことを軸に支援していく．支援していくためには，長期的に並走するパートナーの関係であると患者-看護師の双方が理解できるような関わりをすることが重要である