臨床外科交見室
癌治療におけるセカンドオピニオン―患者との信頼関係の構築
仲原 正明
1
Masaaki NAKAHARA
1
1大阪警察病院外科
pp.1240-1241
発行日 2008年9月20日
Published Date 2008/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102260
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現在,日本人のおよそ2人に1人が癌に罹患し,3人に1人が癌で死亡しています.癌は以前のように「不治の病」としては恐れられなくなったように思いますが,いまだ死因の第一位を占めています.
医師に「癌です.手術が必要です」と言われたら,患者さんはどう思うでしょうか.「本当に癌?」,「手術は本当に必要?」,「ほかによい方法はないの?」,「この病院で手術して大丈夫?」,「手術の危険性は?」,「入院期間や費用はいくら?」,「仕事をどうしよう」,「家族のことが心配」,「手術後は今までどおり働ける?」など,頭のなかは混乱し不安で一杯になるでしょう.われわれ医師は病状や治療方針,治療成績,合併症,予後などを患者さんや家族に説明し,同意のもとに治療を開始します.決定権は患者さんにありますが,患者さんが判断に迷うことも多々あります.そのようなとき,別の医師にセカンドオピニオンを受けることができれば,病気に対する理解が深まり,また,納得して治療を受けることができます.
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