6．コミュニケーション力で患者を支える（4）高齢者が笑顔になる

コミュニケーションは，言語だけではなく，表情，動作，視線，姿勢からも，患者の体調の変化や生活背景，悩み，不安といった感情を知ることができる．患者の変化に気づき，声をかけ，問題について早期に援助することで患者との信頼関係を築くことができる．しかし，高齢者は聴力障害や認知機能が低下することで，医療者と患者の伝達に齟齬が生じ，時には怒りや攻撃といった形に変わることもある．とくに認知症の患者への対応には難渋し，スタッフはしばしばストレスを感じる．患者の怒りを助長させないためには，相手を正論で説得しようとせず，相手の言い分を聞き，個々に合わせた対応が必要となる．