ケース・スタディ
高度貧血に対して精査がなされないまま透析導入となった1例
石井 公祥
1
,
大山 悦子
1
,
牧野 慎市
1
,
若林 華恵
1
,
辰元 為仁
1
,
相澤 昌史
1
,
淺沼 克彦
1
1千葉大学大学院医学研究院腎臓内科学
キーワード:
糖尿病性腎症
,
出血性貧血
,
大腸癌
,
HIF-PH阻害薬
Keyword:
糖尿病性腎症
,
出血性貧血
,
大腸癌
,
HIF-PH阻害薬
pp.649-656
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002167
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症 例:40歳代,男性 主 訴:全身浮腫,労作時息切れ 既往歴:2型糖尿病,高血圧症,糖尿病性網膜症 家族歴:母;糖尿病 アレルギー歴:なし 生活歴:喫煙なし,飲酒なし,父親と二人暮らし 職 業:タクシードライバー 内服薬:アムロジピンベシル酸塩10 mg/day,フェブキソスタット20 mg/day,フロセミド40 mg/day,トリクロルメチアジド0.5 mg/day,アゾセミド30 mg/day,ビソプロロールフマル酸塩1.25 mg/day,スボレキサント15 mg/day,インスリンリスプロ(4-4-4-0単位),ダルベポエチン(30〜120 μg/回) 現病歴:X-12年に2型糖尿病の診断となり,近医にて加療を受けていた.X-2年4月の健康診断で尿蛋白を指摘され近医で相談したところ,腎臓専門医受診が必要と判断され,7月に当科に紹介受診となった.糖尿病歴が長いこと,またすでに糖尿病性網膜症が指摘されていたことから,糖尿病性腎症と診断し,外来加療を行っていた.X年3月頃から新型コロナウイルス感染拡大により仕事が休業となり,経済的な都合で5月から通院を自己中断し,6月から労作時息切れと尿量減少,下腿浮腫を自覚していた.その後,7月には黒色便が出現するようになり,8月16日に近医を受診したところ,Hb 6.8 g/dLと高度貧血を認めたため,再度8月18日に当院当科に紹介となり,精査加療目的で緊急入院となった.
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