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特集 CKD患者に望まれる造血・鉄代謝異常の管理
各論
ESA療法とHIF-PH阻害薬治療 保存期と透析導入期のシームレス腎性貧血治療
Seamless renal anemia treatment between conservative and introductory dialysis
安藤 重輝
1
ANDO Shigeki
1
1東北公済病院腎臓内科
キーワード:
HIF-PH阻害薬
,
心腎連関
,
CRA症候群
,
機能的鉄欠乏
Keyword:
HIF-PH阻害薬
,
心腎連関
,
CRA症候群
,
機能的鉄欠乏
pp.852-858
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001703
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はじめに:CKD診療における貧血治療の重要性
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は今や国民病といわれ,その診療の重要性については,昨今の啓蒙活動により幅広く浸透しているが,その最大の治療目標はどこにあるのか? まずは末期腎不全(end-stage renal disease:ESRD)にまで陥らせないことと認識されるが,CKDという用語があまりに日常的すぎて,目標がぼやけてしまっているのは否めない状況であった。そんななか,治療目標が,2024年7月10日に日本腎臓学会から出された最新のCKD診療ガイド20241)にて明確に示された。図11)のように,単にESRDへの進展阻止(透析予防)のみならず,心血管疾患発症予防,死亡リスクの軽減もあわせて明記されている。これは非常にセンセーショナルといえることで,腎臓内科医は単に腎臓を診るのみならず,筆者が思うところの一蓮托生の臓器である心臓,さらには生命個体にまで目を向ける必要があることを明確に示してきたことは,有意義な提案である。現況ももちろん,将来向かうであろう超高齢化社会に対応するために重要な,腎臓内科に課せられた課題ともいえる。
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