特集 CKD診療における漢方と補完代替療法
11.透析医療機関における人工炭酸泉浴の取り組み
山田 哲也
1
1偕行会グループ透析事業本部
キーワード:
炭酸泉
,
末梢動脈疾患
,
重症下肢虚血
Keyword:
炭酸泉
,
末梢動脈疾患
,
重症下肢虚血
pp.637-642
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002162
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透析患者は末梢動脈疾患を合併することが多く,潰瘍や壊死を呈する場合もあり,しばしば難治性である.二酸化炭素を250 ppm以上含む湯を炭酸泉といい,1,000 ppm以上含むものを高濃度炭酸泉という.炭酸泉浴により血管が拡張し血流が増加するため,創傷治癒の促進が期待される.下肢バイパス術や経皮的血管形成術などの標準的治療に抵抗性の下肢病変に対して高濃度炭酸泉の足浴を施行することで,切断やむなしと思われた症例を多く救肢できた.炭酸泉浴は,透析患者に時にみられる重症下肢虚血の補助的治療として,試みる価値があると思われる.
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